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第42回りっつん夜学 「ダイヤモンドは永遠か?」〜ダイヤモンドの素顔と魅力、人工ダイヤモンドの未来〜

節分も近づいた寒空の下、今回の夜学もジオネットワークつくばの後援をいただいて開催されました。
テーマは誰もが知る「ダイヤモンド」。今宵はその魅力にせまります…。

神田先生

今回講師の神田 久生 先生は「ダイヤモンドというのは欲の塊ですから、このような自然食のレストランにはそぐわないかと思いましたが…」と穏やかに言いながらも、ダイヤモンドに魅せられた少年のような瞳でゆっくりとお話を始められました。

*ジオネットワークつくば(→HPはコチラ)
生活と科学をつなげるためにつくられた、研究者と生活者を結ぶネットワーク

ダイヤモンドとは?

ダイヤモンドとは?

まずはダイヤモンドの特徴を紹介するため、簡単な実験をしてくださいました。透明な2枚の小さな板とグラスに入った氷が用意されました。指で板をつまんで氷に当てます。片方の板を当てた氷は見る見るうちに溶けていきますが、もう一方の板は当てても何の変化もありません。「うわー」っと声が上がります。これがダイヤモンドの板、熱伝導がとてもいいので指の温度がすぐに氷に伝わり、あっという間に溶けていくのです。

そしてもう一つの実験。「これからダイヤらしい石を回します。3つありますからどれがダイヤか当ててみてください。」サイズも光具合も違う3つの石が入った箱をみんなで見て「これかな?」と考えます。いったい答えは…? 参加者のみぞ知る!

皆さん、ダイヤモンドと聞くと何を連想するでしょうか?「ダイヤモンド」という言葉をインターネットで検索すると映画や小説だけでなく、雑誌やお店の名前に至るまで、宝石とは直接関係ないものにも「ダイヤモンド」と使われています。人はダイヤモンドのどういうところにあこがれるのでしょうか? それはなんといってもダイヤ本来の魅力、キラキラ輝く宝石としての魅力です。
このように人々のあこがれの的でもあるダイヤモンドですが、実は宝石としての使用以外にも重用されています。硬度や熱伝導率が高いため、半導体としても良質の材料であり、工具や電子材料としても使用されているのです。

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ダイヤモンドはどこからやってくる?

ダイヤモンドはどこからやってくる?

ダイヤモンドを手に入れるにはどうすればよいのでしょうか?先生が10年前の雑誌の記事を見せてくださいました。そこには「あなたのダイヤは本物ですか?」とのタイトル。ダイヤモンドは天然のものだけでなく、合成ダイヤも多く流通しています。「ダイヤモンドは炭素原子から構成されており、黒鉛(グラフェン)とは配列が違うだけなのです。」と先生。ダイヤモンドは高圧で安定的に存在します。天然のダイヤは地球の奥深く(地表より約200km内部)でできます。このダイヤモンドが火山活動で地表に吹き上がってきたものを人間が採掘しているのです。

南アフリカでは盛んにダイヤモンドの発掘が行われていますが、これらはすべて火山の噴火口跡地から見つかったものです。1900年ころから発掘が行われており、現在では、作業はほとんど機械化されていますが、採掘がはじまった頃は人力でした。トラック1台分の土砂の中から2〜3個のダイヤモンドが見つかります。火山から流れ出た土砂の中からもダイヤモンドを探そうと付近の河川でも手作業で発掘が行われています。ダイヤモンドで有名なデビアス社の南アフリカ社屋の写真も見せていただきました。ダイヤモンドの分類のため、窓はすべて南側にだけ(南半球なので)つけられており、日光がはいらないようになっています。

実は日本の四国でも天然ダイヤモンドが発見されたことがあるそうです。けれども4年前に学会誌で発表されて以降、音沙汰がありません。その後どうなったのか…夢が膨らみます。

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ダイヤモンドの作り方

ダイヤモンドの作り方

ここで人工ダイヤモンドの作り方について教えていただきました。一つは高圧合成法と呼ばれるものです。ダイヤモンドと同じ炭素から構成される黒鉛の配列には隙間があります。この隙間を小さくすることでダイヤモンドと同じ配列にするのです。そのためには高温高圧の空間を作る必要があります。先生が見せてくださった写真には人の背丈くらいの機械が写っています。「この機械で超高圧の状態を作ります。5万気圧で1500℃くらいです。」と先生。中にはジルコニア、鋼、黒鉛、溶けた食塩などが入っており、さらに一番下にダイヤのたね結晶があります。この機械で圧縮するわけですが、力がかかりすぎると部品が壊れてしまうそうです。「この部品が高いんですよ…」と先生。研究は大変です。
ちなみに世界最大の合成ダイヤは直径2cmくらい。これを作るのに1か月ほどかかったのだそうです。

もう一つは気相合成法。雪の結晶のように気体からダイヤモンドを作ります。正確には炭素を含むメタン(CH4)などのガスから水素(H)だけを取り出して炭素(C)を基盤の上に集め、合成します。ダイヤモンド気相合成装置にガスを流すとプラズマ(炎の一種)が原料のメタンを分解します。すると基盤の上に「葉についた霜のよう」に膜状のダイヤモンドが形成されるということです。1986年にお酒(アルコール)の炭素からダイヤを作る実験も行われました。結果は見事成功したそうです。

ちなみに合成ダイヤモンドと天然ダイヤモンドはどのように見分けるのでしょうか?実際には専門家でも大変だと言われています。4Cの要素、すなわちCarat(カラット・大きさ)、Cut(形)、 Clarity(傷があるかどうか)、Color(色)が決め手となります。ダイヤモンドに入っている不純物の種類や割合によってダイヤの色を変化させることができます。たとえば窒素 (N)は黄色に、ホウ素 (B) は青になど自在に変化させることができるのです。熱処理によって天然のダイヤモンドの色を人工的に変えることもできるそうです。

人工ダイヤと合成ダイヤの判別には、カードルミネッセンス測定装置という機械を用いることもできます。電子を当てて出てくる光の波長をみるのです。不純物の入り方によって異なる模様が現れます。天然のものと人工のものでは模様が違うので見分けることができます。

また、ダイヤモンドは電子材料として、ダイオードやトランジスタ、ICへの利用も将来的には可能であると考えられています。音速が早く、膨張率が低いのでスピーカーの振動板にも使用されますし、医療現場でDNAを調べるための素子としても期待されています。ただし性能はいいのですが、値段は高いのが難点です。

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まかないの時間

本日のまかない

<本日のまかない>

◆赤いダイヤ(小豆)のおこわ
◆雑穀のハンバーグ
◆野菜スープ
◆人参グラッセ、ポテトサラダ、季節野菜クリスタルジュレがけ
◇カラット豆乳キャロブ 〜カプチーノ仕立て〜
◇ジュエリーのデザート 〜苺とドライフルーツの寒天よせ〜


今日のまかないは、ダイヤモンドのキラキラ感を表現したゼリーがのっています。「素敵〜!」と歓声が上がります。お食事をいただきながら皆さん自己紹介とダイヤモンドとのかかわりについてお話ししてくださいました。「ダイヤモンドは持っているけど、ほとんどつけることはない、タンスのこやし」「親からもらったアクセサリーがダイヤモンドだと聞かされていたのだけど、よくよく調べるとジルコニアだった」「そういえばエンゲージリングはダイヤモンドだったなあ」などなど。「ダイヤモンドの輝きは変わらないのですか?」という質問に「光り具合は年月がたってもそう変わらないでしょうが、炭素でできているので火事にあうと変わるかもしれません」と先生。「ダイヤモンドは曇らないのでしょうか?」という質問も。「熱伝導率が高いので、人が息を吹きかけてもすぐに温度が変わり、表面に温度差ができないので曇らないでしょうね」との答え。そうですね、それゆえに特別な宝石と思われてきたのかもしれませんね。

「地球の内部でダイヤができるというお話でしたが、地球がある限り、ダイヤができ続けるということですか?」という質問もありました。先生の答えは「生物の死骸が海底に沈み、さらに地球の内部に沈んでダイヤモンドとなり、火山爆発で地表に噴出しているのだという説もあります。つまり、でき続けるということです。」なるほど、偉大な自然の産物、ということでしょうか。また、ダイヤモンドの加工は基本的にレーザーで行われますが、炭素でできているので「燃やして切る」のだそうです。高温高圧加工するときは空気がないのでこげないとか。

さらに実験

 「母からもらったルビーを身に着けていると、なんだか気分がよくなります。パワーストーンって本当にあるのでしょうか?」という質問にはちょっと困った顔をして「科学的には証明されてないですねえ。トルマリンから出ている遠赤外線くらいなら、そういえるかもしれませんが…。」と答えてくださいました。材料などを扱う会社に勤めるお父さんに真っ黒に炭化した「ナノダイヤモンド」を見せてもらい、びっくりしたという方もいらっしゃいました。そのほかにも「人工のダイヤモンドはもっと簡単にできると思っていましたが、こんなに手間をかけて作っているのなら、天然のものとかわりないくらい価値があるのかな?」という参加者の方も。

近隣大学の大学院生の参加者の方もいらっしゃって、ご自分の実験内容についてもお話ししてくださいました。音響やメタンの生成など、バラエティ豊かな学生さんのお話を受けて、神田先生も学生時代のお話をしてくださいました。神田先生は高校生の頃、石に興味を持ち始めたそうです。どうして石に興味を持つようになったのかはいまだにわからないとか。

紛争ダイヤ、採掘に関わる労働者問題、ダイヤモンドに関わる話は尽きません。ダイヤモンドはいつごろから宝石としてもてはやされるようになったのでしょう?その答えは分かりませんが、人にとって特別な宝石であり続けていることは確かです。

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さらに実験…!

さらに実験

まかないの後にもいくつか簡単な実験をしていただきました。夜学の冒頭で見せていただいた3粒のダイヤを氷の上に乗せて指で押すと、熱が伝わり、氷が融けてダイヤが氷の中に埋まっていきます…!皆さん写真を撮ったりして大はしゃぎです。先生曰く「銅の5倍の熱伝導率」はさすがです。「お湯につけたダイヤを指で触るとやけどしますから気を付けてくださいね」とのこと。ちなみに最初に実験をしたダイヤモンドの小さな板はとても高価なものだとか…。
実験もお話も尽きることなく、キラキラした夜が更けていきました。


夜学風景

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みなさんの感想から

  • ◆ダイヤモンドの顔は宝飾品としてだけではではないことを知りました。
  • ◆きれいなだけでなく、スゴいやつだ!
  • ◆ 人工ダイヤモンドの作り方が圧力以外にあったことを知った。
  • ◆ダイヤモンドは様々な可能性を持っている、ステキな石です。
  • ◆ダイヤが科学的な条件からできているのだから、人工的なダイヤモンドで充分だと思った。
  • ◆高級ジュエリーというだけでなく、ダイヤは多様な顔をもった健気な鉱物でした。
  • ◆ダイヤってあらためてキレイなものだなぁ、と思った。
  • ◆お話をされる、先生の目もキラキラしてダイヤのようだった。
  • ◆人工もつくることは大変で、貴重です。
  • ◆キャロブココアの原料の豆1個の重さがダイヤの1カラットだと知ってびっくりした。

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今回の夜学のご案内

【第42回】「ダイヤモンドは永遠か?」〜ダイヤモンドの素顔と魅力、人工ダイヤモンドの未来〜
(ジオネットワークつくば*後援)
講師:神田 久生 先生(財団法人つくば科学万博記念財団運営業務部長)
1月28日(金)19:00〜21:30
人数:25名(先着順。定員になり次第締め切らせていただきます。)
参加費:2,000円(お食事付)
メニュー:赤いダイヤのおこわ、雑穀ハンバーグ クリスタルジュレ、カラットココア、ジュエリーデザート…etc...

誰もが知っているダイヤモンド。なぜ多くの人々はダイヤモンドに興味を示すのでしょうか。今宵は、ダイヤモンドの作り方や性質の話を聞きながら、意外な顔を知るとともに、ダイヤモンドの魅力を考えてみましょう。
女の子が大好きなデコ。そのブームが起こるずっと前の少年時代から女の子以上にキラキラに興味をもたれ、長年、物質・材料研究機構に勤務され、人工ダイヤモンドの研究をされていた神田久生先生のお話です。鉱物のダイヤモンドの輝きや硬度や希少性の魅力を人工ダイヤモンドのお話を通して知り、その魅力に人工ダイヤモンドがどこまで接近できるのか、しているのか、お話しいただきます。
お楽しみのお食事メニューは、ジュエリーづくしです。

・小豆の変わりご飯
良質のたんぱく質はもちろん、豊富なビタミン類(B1・B2)やカルシウム、リン、鉄、食物繊維まで幅広い栄養素が含まれる「赤いダイヤ」と称されるアズキをつかった炊き込みご飯です。
・雑穀のハンバーグ クリスタルソース
おなじみのお肉をつかわないハンバーグにキラキラのソースを添えます。
・キャロブのお飲み物
ココアに近い風味をもちながら、ココアに比べ鉄分、繊維、カルシウムが豊富で低カロリーなキャロブは、ダイヤモンドの質量の単位「カラット」の語源です。
・ジェリーのデザート
もちろん動物由来のゼラチンを避け、植物由来の寒天と葛をつかったツルンツルンのフルーツデザートをご用意します。…etc...

*ジオネットワークつくば
生活と科学をつなげるためにつくられた、研究者と生活者を結ぶネットワーク
http://www.geonet-tsukuba.jp/geonet

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