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第36回りっつん夜学 首肩コリと目の疲れ 〜東洋医学の小話とセルフケア

第36回を迎えたりっつん夜学。今夜のテーマはズバリ、肩こりと目の疲れです。と言ってもただの肩こりのお話ではありません。首や肩がこるのはなぜか、どうやったら自分で自分の体をケアすることができるのか、東洋医学の観点から鍼灸師の小池栄治さんに教えていただきました。

“コリ”ってなんですか?

“コリ”ってなんですか?

今日の夜学講師はTSUKUBAくさの根はりきゅう治療院の小池栄治さんです。りっつんの厨房で働く、奥さんの容子さんもアシスタントとして参加していただきました。小池さんによると、“コリ”というのは“血液の動きが滞った状態”なのだそうです。人間だけではなく動物も体がこることがあり、犬や猫のための鍼灸もあるのだとか。

お話のはじめに「鍼灸治療を受けたことのある方はいらっしゃいますか?」と小池さんが聞かれたところ、参加者の多くの方が手を挙げました。みなさん、ご自分の体のケアについてはとても関心の高い方ばかりです。「今日の夜学はまず目や肩のコリとそのセルフケアについて知っていただき、最後にせんねん灸を体験してもらいます。このせんねん灸は、日本では江戸時代から使われているとてもポピュラーなお灸のひとつで、今のような、梅雨のじめじめした時期には体から余分な水分を蒸発させるためにとてもいい方法です。」と小池さん。自分でお灸をすえるのは初めて、という方も多く、皆さん興味深々です。

さて、具体的なお話に入る前に一つおことわりです。「古今東西、体のとらえ方、ケアの仕方はさまざまです。医学体系が異なれば、理論も違います。僕の言うこととは全く違うことを言うお医者様もいるかもしれません。でもそれも正しいのです。それぞれの地域や環境、その治療者の方の経験でつくられた理屈・理論であり、決して否定するものではありません。ご自分に合ったものを選んでいってください。」そうですね。一番の主治医は自分だといいますが、ただ一つの方法だけを信じて、他の方法をいたずらに批判するのは決してよいことではありません。マッサージと同じく、柔軟にいきましょう。では、お話が始まります…

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養生法の基本

まずは自分の体をケアする、養生の基本について説明していただきました。

1. 冷やさないこと
体をひやすと血管がちぢこまり、血管中に老廃物がたまってしまいます。新しい血液が回ってこないとさらに体がひえ、悪循環に陥ってしまいます。ひえの究極が癌や凍死の状態で、お灸は癌にも効果的なのだそうです。「癌細胞は増殖力が強い細胞です。増殖によって熱を出し、冷えた内臓の機能回復を促そうとしている自然治癒力の一環なのではないのでしょうか?」と、小池さん。確かに、そうかも知れません。

2. 温めること
こりや疲れ、痛みなどの慢性的な症状は温めて血液の流れを良くしてやることが大切です。特に心臓から遠い足先などを温めることが大事なのだそうです。これから暑くなると冷えたビールやアイスクリームがおいしくなりますが、できれば避けたほうがいいのだとか…「僕は花粉症も生活習慣病じゃないかと思っています。ちなみに去年はアイスクリームを食べすぎて今年の春は花粉症で大変でした。」と笑いながら話す小池さん。でも決してビールやアイスクリームを禁止しているわけではありません。あくまで「ほどほどに」したほうがいいのだそうです。
また、昔から食べられている料理は、体のバランスがきちんと取れるようにできています。たとえば冷奴。「冷たいお豆腐は体を冷やしますが、その上の生姜や葱は体を温めてくれます。」と小池さん。体を冷やしすぎないように、うまく工夫されているのですね。また、東北地方ではよく塩漬けの料理が見られますが、塩分は体を温める食べ物として大事なものなのだそうです。高血圧=減塩という単純な図式も必ずしも正しいわけではなさそうです。

3. 動かすこと
体を温めるためには運動も大切です。特に体の筋肉の70%が集中する足を動かしておくといいのだとか。筋肉の運動によって体温の20%が生み出されます。「老化は足から」とも言われますが、これは寝たきりになると加齢が進むということではなく、足から体が冷えていくと、全身に負担がかかって動きにくくなり、老化が進むということです。「足は第二の心臓」とも言われるのはこの所以です。

4. 休ませること
体をしっかり動かした後には休養をとらなくてはいけません。「よく足がつる人はいませんか?2月から3月ごろに足がよくつったけど6月ごろになるとあまりつらなくなったという人はひえが原因かもしれません。寝る前にはお風呂でゆっくり温まってくださいね」と小池さん。早速今日から実践しましょう。

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お食事もたいせつです

お食事もたいせつです

養生法の一つとして、食事についてのお話もありました。食べたものは一定時間、胃腸にとどまって消化のために体に負担がかかります。よく食べた後に眠くなるのはこのせいです。おなかに血液が集中し、頭に余分な血液が回らないのです。このようなときは胃腸を休ませることが必要です。究極の食養生は断食でしょう。

人類の歴史の中で、ヒトは飢えと戦って生きてきました。現代のような飽食の時代はまだ始まったばかりなのです。血糖値を上げるホルモンは体内にたくさんありますが、血糖値を下げるホルモンはインシュリンだけなのだそうです。と、いうことは食べ過ぎて血糖値が上がってしまうと下げるのはなかなか大変だということですね。これまでのりっつん夜学でもたびたび取り上げられてきましたが、「食べ過ぎ」には注意したほうがよさそうです。

「でもたまには不健康な生活をしてもいいですよ、息抜きも大切ですからね」と小池さん。そうですね、ストイックになりすぎるのも考えもの。食に気をつけるのも大切ですが、たまにはビールを飲んだり、アイスクリームを食べて楽しむのも生活にとっては大切なことです。

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目の疲れ、首肩のコリ

小池さんによると、目の疲れの原因は眼を使いすぎたから、首肩のコリの原因は首や肩を使わなさすぎたから、なのだそうです。腕の重さは体重の約1割を占め、その重い腕を肩と背中で支えています。四足歩行から二足歩行に進化したヒトの体は肩を大きく動かせるようになり、肩の骨の形も他の骨とは違い、凹凸のがっちりしたつくりになっています。このような肩を動かさないでおくと自然とひえてしまい、肩こりになりやすいのです。また、首は衣服から出ていることが多く、肩よりもひえやすい所にあります。重い頭を支えている首は、加齢や運動不足で筋肉が少なくなると、“コリ”で筋肉を硬くして頭を支えようとします。これが首の“コリ”の原因です。

小池さんによると首や肩がこっているのは「自分で自分の首を絞めている状態」なのだそうです。心臓から流れ出た血液の約60%は動脈を流れて脳に向かいます。首や肩がこっていると、脳から静脈を流れて帰ってくる血液の流れが滞ってしまいます。動脈に比べて静脈は血液を流す圧力が小さく、首や肩で血液が渋滞するとそのうち脳内出血の原因となってしまいます。昔の人は「するめを噛むと中風予防になる」と言いました。中風とはすなわち脳内出血のことです。するめを噛むというのはよく噛んで食べることのたとえで、食べるときにしっかりと噛むことで血液の流れがよくなり、首や肩のコリがよくなって脳内出血を防ぐことができる、ということを示していたのでしょう。

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一人でできるセルフケア

一人でできるセルフケア

一通り、お話が終わると今度はセルフケアの実践です。
「“コリ”は手足などの体の先から中心に向かってやってきます。手がこると手につながっている腕がこり、さらに腕につながっている肩がこります。体の各部分はお互いにサポートし合っているために、一か所が疲れるとそれを支えるために他の場所に負担がかかり、結果として全体に“コリ”が広がることになります。ではこの“コリ”が発生する手の末端、指の爪をもんでみましょう。」と小池さん。皆さん、自分の指を一本ずつもみ始めました。爪をもみ終わると、指を一本ずつ引っ張ってみます。
「自分が痛いと感じる指は何か意味があるのですか?」と参加者の一人から質問がありました。「そうですね、指によって示される臓器は違いますが、今日はそこまで考えないことにしましょう。」と小池さん。とりあえずは気持ちよくなるところから、です。

合谷や手の三里などの大事なつぼも教えていただきました。「目の疲れ、肩こりなど上半身に何か症状が現れたらとりあえずここを押してみてください。寝違えたら横になったまま押してみてもいいですよ。押し方は自分の気持ちのいい強さでやってみてくださいね」と小池さん。一人ずつ丁寧につぼの位置と押し方を見てくださいました。
東洋医学はセンチメートルでは測れません。つぼの位置もその人の指の太さで図ります。ひじから手首までが一尺=十寸であり、一寸も人によって長さが変わってくるのです。特に触ってみて反応があるところ、痛かったり、気持ち良かったりするところがつぼなので、実際に触って感じてみることが大切なのだそうです。「押してはいけないつぼはあるのですか?」という質問もありました。「基本的に押してはいけないところはありません。自分が気持ちいいと思ったところは素直に押してみてください。」なるほど、自分の体の声を聞くことが大切なのですね。

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一人でできるセルフケア

次に、目のセルフケアについても教えていただきました。目の周り一帯をお城と考えて、目は本丸、周りのつぼは内堀・外堀として少しずつ「堀」を押していきます。「堀」の中の8つのつぼを一つずつ丁寧に説明してくださいました。押す順番は特に決まっていませんが、手のマッサージと同じで気持ちいいと思ったところは特に集中的に押してみるといいようです。また、目が疲れた時はお風呂に入って温かいタオルを目にかぶせてみる、という方法も教えていただきました。温めても目の充血がおさまらない場合は、目の奥の脳から充血が起こっている可能性があるので、その場合はお医者さんに行ったほうがいいかも知れません。

ここでまた質問です。「朝起きて胃がもたれているときはどうしたらいいですか?」皆さんも経験があると思います。この場合はまずおなかを触って、膨らんでいると感じたところにお灸をしてみます。その後、足の三里を呼ばれるつぼを押してみます。足の三里は胃腸や足に効果のあるつぼで、奥の細道の著者、松尾芭蕉も旅に出たときは毎日宿で足の三里にお灸をすえていたのだそうです。

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二人でセルフケア、そしてお灸に挑戦

二人でセルフケア、そしてお灸に挑戦

次に、二人ひと組になって簡単なマッサージの仕方を習いました。一方の人が自分の両手の小指と薬指を、相手の片手に絡ませて親指で掌をゆっくりと押していきます。それほど力もいらず、相手も気持ちいい、目や肩にも効果のある「お得な」マッサージです。

二人ひと組のマッサージが終わると、せんねん灸のおためしも始まりました。お灸は温めて血液の循環を良くし、白血球をつくる作用があります。皮膚に跡が残らない程度に、少し火傷をさせることでいらないものを出してくれる効果があるのだとか。
今回は合谷と手の三里にお灸をすえて様子を見ました。お灸に火をつけてすぐに熱くなる人、お灸が燃え尽きるまで熱さを感じない人、個人の体質によって反応も様々です。同じ人でも両腕で皮膚の強さが違ったりするので、じっと様子を見て、熱くなったらお灸をはずします。アシスタント、奥さんの容子さんの実体験も踏まえたお灸のアドバイスも楽しく聞かせてもらいました。お灸を避けたほうがいいのはお風呂の後や汗をかいた後。皮膚がぬれているときは火傷しやすいからだそうです。

最後に手ぬぐいを使った、二人ひと組で目の疲れをとるマッサージを教えていただきます。あちこちで「きもちいーい」という声が聞こえます。皆さん、お互いにとてもいい気分になってセルフケア実習が終了しました。


夜学風景

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薬膳 in りっつん

今夜のまかないは薬膳料理に詳しい容子さん提案のメニューに基づいた、玄米菜食料理です。
おにぎりに使われた黒米やデザートのゼリーで使用されたハイビスカスティーは血のめぐりをよくする食材です。お茶に使用された菊の花は目に栄養を与えます。スープに使用された玉ねぎや生姜は気のめぐりをよくし、ハト麦やズッキーニは体内の余分な水分を出してくれます。本日のメニューに使用された食材に加え、むくみによくきくという冬瓜や小豆などの食材も紹介していただきました。中国では妊娠中毒にもよくきく食材として知られているそうです。お食事をとりながら小池さんご夫妻への質問は止まりません。小池さんご夫妻のゆったりしたお話と笑顔で、体も心も癒される2時間でした。


本日のまかない

<本日のまかない>

◆玄米おにぎり
◆野菜たっぷりはと麦スープ
◆ハイビスカスのゼリー
◆菊花茶

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みなさんの感想から

  • ◆お灸をした右手が、肩の方までほかほかとあたたかくなりました。自分の体の声を聞いて、ちょっとしたお手当てで体を楽にしてあげられるすべを持っていたら、生活がよりうるおうような気がします。
    小池先生、りっつんの皆様、今日の素敵な時間を一緒に過ごすことができた皆様、ありがとうございました。
  • ◆肩こりについて、今まで断片的に聞いていたことがつながって、とても納得がいきました。
    とてもためになりました。続編がありましたら、又是非参加したいです。
  • ◆毎日パソコンに向かうことが多く、特に主人は肩こり、眼精疲労がひどいので今回とっても楽しみにしていました。悪くなる前の予防をする、という考え方、大変勉強になりました。薬のように即効性を求めず、予防し、少しずつ改善していこうと思います。食べ物や日々の生活習慣で、もっと体を大事にしてあげようと思いました。
  • ◆(学)お灸は初めてだったけど、温かくて気持ちよかった。めぐりをよくすることが大事と感じた。それの方法論としてマッサージだったり、ツボだったり、針灸だったり、運動だったりなのだとわかった。
    (食)玄米は自分でやったときはぼそぼそして食べられたもんじゃなかったけれど、ここのは、もちもちして白米みたいにやわらかくて、すごくおいしい。玄米もこれなら続きそう。お肉がなくても満足できるのにはおどろいた。
  • ◆小池さんのお話しがわかりやすくてとても聞きやすかったです。コリは体の末端から発生するというのは初めて聞いたことでした。手のマッサージやつぼおしを日常的に実践していこう!と思いました。
    氷水は毎日なにげに飲んでいたので…やめます。ちょっとしたことで毎日がもっと快適にすごせたらうれしいです。動くことがアンチエイジングや健康に必要だということがあらためて感じました。ありがとうございました。お料理美味しかったです。
  • ◆ただ講師の話を聞くだけだと思って来たのですが、実際に動くことを取り入れられたレクチャーだったので、すごく良かったです。まかないもすごく美味しくて、初めて来たのですが、また参加したいです。

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今回の夜学のご案内

【第36回】 6月18日(木)19:00〜21:30
「首肩コリと目の疲れ 〜東洋医学の小話とセルフケア」
講師:TSUKUBAくさの根はりきゅう治療院 小池 栄治さん
まかないつき学費 2,000円
定員 15名(先着順。定員になり次第締め切らせていただきます。)

今回は、多くの方が気になるの話題ではないでしょうか…体の“コリ”に関する夜学です。とても誠実で丁寧なお話と施術をしてくださる、くさの根はりきゅう治療院の小池さんを講師にお迎えします。じっくりお話を聞くことができるこの機会!皆さんのご参加をお待ちしております。
パソコン仕事などで目や首肩が疲れていませんか?目が疲れると首肩コリにつながります。首肩コリがあると心臓から頭への血流が悪くなり、目の疲れも増幅され、悪循環が生まれます。首肩コリがもたらすさまざまな弊害についての東洋医学的な考え方と、家庭でできる首肩コリ予防のツボ押しやお灸についてご紹介します。

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