今回の夜学はりっつんではじめての本格的なキャンドルナイト。りっつんに集うお客様、スタッフでお食事をいただきながら、日頃から気になっていること、どうしても聞いてほしいことなど、胸に秘めた各自の思いをみなさんで話し合って共有していただきました。
午後7時、店内の電気が消され、ミツロウキャンドルの優しい光と白檀の香りに包まれながら、ウェルカムドリンクのビオナーデで乾杯。夜学の始まりです。くじで一人ずつ順番が決められ、お話が始まりました。
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キャンプファイヤーのときみたいに、キャンドルを囲みながら、おいしいお料理をいただきながら、秘めた思いをみなさんで共有できた、りっつんらしいキャンドルナイトになりました。蜜蝋ろうそくの明るさは、お話を聴くのに丁度よく、心を分かち合うのに充分で、時間を過ごすにはおつりがくる程でした。 愛情と手間隙を充分かけて育った国産無農薬野菜の流通にも「フェアトレイド」を、という提案にギクっ。女性用のふんどし復活の話題に、二十一世紀のブルーストッキング運動「青鞜」じゃんってドキっ。りっつんは多元的でこれが「つくばスタイル」だって褒められてニマ。レポートでは書ききれない情報が行き交いました。 |
次は、冬至。2008年12月21日21時4分。小豆粥、かぼちゃ、柚子ジュースでお待ちしております。キャンドルナイトの顔で又お会いしましょう!(りっつん店主・小清水美恵)
医食同源今回の夜学で特に意見が多く聞かれたのが食と健康の問題です。とある病院で働いている方は、アレルギー患者の方が薬などの対処療法でもなかなかよくならないのを見て、現代の医療に必要なのは予防医学ではないか、と思うようになったといいます。「手術や薬での治療は悪いところを取り除いたり、症状を抑えたりするだけで、根本的な原因を治すことはできない。食べ物で治せないものはどうやっても治らない」のだそうです。医食同源ですね。 一方で「あれを食べてはダメ」「これを食べてはダメ」と自分だけではなく、人に対しても禁欲的な食事療法を押し付ける「過激派」となってしまう人もいます。ある参加者のお母様は有機農法の発芽玄米でガンを克服されたといいます。けれども彼女の一番の心の支えとなったのは「胃がん患者の会」の皆さんの励ましでした。どんなにいい思想でも、本当に相手のことを思いやっていなければ、無駄になってしまいます。 キャベツダイエットで10kg以上やせたという女性の方は体が軽くなることで食事内容もかわり、添加物の入った料理を避け、なるべく体に優しい食事を心がけるようになったといいます。また生活の中でいろいろな感覚がさえるようになったとか。「りっつんでは身体にいいものを厳選して料理しているので安心して食事ができますね」と一言。ありがとうございます。 本当の農業って?今回の夜学では、実際に有機農業に携わっている方も何人か参加してくださいました。全て女性の方です。ある方は農学部を卒業されたものの農学と実際の農業の間に大きなギャップがあることにジレンマを感じ、ご自分で有機農業を始められました。実際に土に触れ、作物を育てていると自分の身体で自然の恵みを感じることができます。また、天候の変化など細かい環境の変化にとても敏感になるそうです。 実際に一生懸命手をかけて野菜を作っていると、キャベツ1個が200円なんて安すぎる・・・と思ってしまうこともあるのだとか。実際、日本の野菜は欧米に比べて安すぎるともいわれます。スーパーの野菜はどうして安いのか、化学肥料や除草剤を使って生産性をあげているから?さらには遺伝子組み替えで栽培の簡単な野菜ができているから?野菜を販売する組織が大きくなるにつれ、どんどん利益を優先する仕組みが出来上がっていきます。本当に安全な野菜を作ろうと思えば時間と手間がもっともっとかかるはずなのに・・・なぜでしょうか。 さらに疑問は膨らみます。有機野菜は高いという人は多いけれど、高価なバッグをひとつ我慢すれ十分に安全な野菜が手に入るのも事実です。ミヒャエル・エンデの著作「モモ」にはお金と心の問題が取り上げられています。
本当の事を知る在日のビルマ人難民を支援している方もいらっしゃいました。テレビのニュースでも多くの情報が伝えられていますが、軍事政権の強硬な姿勢、昨今の状況は不条理極まりないといいます。また、政治や経済の裏で行われている「本当のこと」を知ると、「嘘」が見分けられるようになるのだそうです。参加者の一人、気候の研究をしているという学生さんによると、ミャンマーで発生したサイクロンの規模は日本で起きる台風とそれほど変わらない、けれども湾の形や建物の脆弱性など地位特有の理由で被害が甚大になったといいます。 また、チベット問題に関する活動をされている方もいらっしゃいました。ダライ・ラマのファンだというこの女性は思いやりや愛という言葉が大好きだといいます。物事を持続させるのはお金や利益、利己愛ではなくではなく、他への思いやり、なるほど、納得です。ちなみにチベットの現状を訴える映画「チベットチベット」は7月5日(土) つくばのぎゃらりー なが屋門で上映されます。映画で語られることは物事のひとつの側面でしかないかもしれません。けれども映画を通して「本当のこと」の一部が垣間見られる可能性もあるのです。 私のやりたいことやりたいこと、目的がわかっているのにアプローチの仕方がわからない、という方もいれば、必要な情報は必要な時期にやってくる、という意見もありました。何かやりたいことがはっきりと決まったとき、過激な手法に出るか、地道にやるか。ミャンマーやチベットの問題でも様々な団体が独自の手法でそれぞれの意見を社会に訴えかけており、時にはそれが社会的な問題になってしまったり、関係の無い人まで傷つけてしまうことがあります。できるだけ人に迷惑をかけず、なおかつ人に訴えかける運動であるためには一体どういう行動をとればいいのか。 子供たちのために
愛する子供に何を食べさせればいいのか、そのような疑問が生じた時点ですでにひとつのアクションが始まっているといえるのかもしれません。 |
"Yagaku"workshop りっつんのキャンドルナイト ~MENU~[明り] [香り] [ウェルカムドリンク] [お食事] ご説明[明り] *しつらいスタッフから [香り] *おもてなしスタッフから
の5種類の組合せで、神経の苛立ちや動揺した状態に対応し、精神のバランスを取り戻すサポートをいたします。いろいろなもの同士のエネルギーの交換のお手伝いになればと思いました。 [お食事] *まかないスタッフから |
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他にもたくさんの疑問、悩み、訴え、希望を聞くことができました。少しでも安全な食のため、環境のためにできるだけ正確な情報を得ること、そして必要だと思ったら自ら発信していくこと、決して過激に押し付けるのではなく、相手の目を見て、ダライ・ラマのように「愛情と思いやり」をもって接すること、本当のことを知ること、将来に悲観的になるのではなく、私たちの子供たちが、孫たちが、この世界を受け継いでよりよい世界にしていってくれると信じること、そのためにできる限りのことをしてあげること。世代や性別、職業の違う人たちが集まって、話し、聞き、考える中でそれぞれが向かっていく方向が少し見えてきた、そんな気がした一夜でした。 今回の夜学は夏至の前日6月20日に行われましたが、翌日の21日には皆さん、ご自宅で電気を消してキャンドルナイトを実践された方もいらっしゃったと思います。家族や友人とお話したり、一人で物思いにふけったり・・・ろうそくの光のもとでどんなことを思い浮かべたでしょうか。何かもやもやとしたものが残った人も、ちょっとすっきりした人も、来年の夏至の日までに皆さんの「思い」が少しでも前に進むことができますように…。 |
【第32回目】 6月20日(金)19:00~21:30
「りっつんのキャンドルナイト ~キャンドルの瞬きの中でお食事会~」
まかないつき学費 2,000円
今回は夏至の前日開催「りっつんキャンドルナイト」です。
キャンドルのやさしい灯りの中で、おいしい料理をいただきながら、いつもと違う時間を過ごしていただければと思います。
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