第30回目を迎えた今回の夜学、テーマは味噌作りです。参加者は17名、去年、一昨年に参加していただいた方もあり、にぎやかな夜学となりました。
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今回の夜学は時間がかかることが予想され、いつもより1時間早い午後6時から始まりました。下ごしらえは事前にレストランスタッフがさせていただきました。スタッフも3年目の味噌作りということで下準備も手馴れてきております。限られたキッチンスペースの中、一昼夜水につけた大豆を圧力鍋でスピード調理です。柔らかくなったらアクをしっかりとり、余分な皮も取り除きます。出来上がった豆と塩(海の精)、今朝出来上がったばかりの生麹が参加者の皆さんに配られました。 |
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講師の長井さんご夫婦に教えていただきながら、皆さん早速味噌作りをはじめます。 |
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まずは麹をもみほぐすところから。生の麹は長井農園で取れた有機米を加工した生の麹です。旧八郷町の東屋麹味噌店にお願いして作っていただきました。今朝出来上がったばかりの麹はまだ盛んに発酵しており、ほかほかと湯気がたっています。この麹を両手でこすり合わせるようにしてほぐし、かたまりをなくしていきます。用意した塩の9割ほどを加え、麹と塩が均等になるようによく混ぜ合わせていきます。 |
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次にゆであがった大豆をすり鉢に入れてすりこぎ(またはディッシャー)でつぶしていきます。粘りが出ないように気をつけながら、大豆の形がなくなって滑らかになるまで時間をかけて丁寧につぶしていきます。「どのくらいつぶしたらいいのかな~」と不安そうな参加者の方に「少しぐらい形が残っていても発酵しているうちにつぶれるからあまり気にしないで」と長井さん。こうやってじかに教えてもらいながら作れるのが夜学のいいところです。 |
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つぶした大豆が熱いうちに、麹と混ぜ合わせていきます。両手に愛情を込めてじっくりと。冷めたものを球状に丸め、空気を抜いてから消毒した容器の中へ。しっかり手で押さえて空気を抜き、表面を平らにならしたら残りの塩を振りかけて封をします。これで出来上がり、各自持ち帰って味噌が出来上がるまでゆっくり育てていくことになりました。 |
皆で助け合いながら、和気藹々とした雰囲気の中、次々と「手前味噌」のもとが出来上がっていきます。各自の味噌が作り終わったところで、本日のまかない飯をいただきます。
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<本日のまかない>◆玄米おにぎり(ネギ味噌・黒ゴマ・ねり梅) |
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おなかもいっぱいになり、ここで長井さん夫婦への質問タイムが始まりました。 さらに八丁味噌、白味噌などのお味噌の種類の違い、味噌の歴史やその土地の気候によくあった味噌が作られていること。今回作った味噌は大体13%ほどの塩分となっているけれど味噌作りの歴史の中でも今は一番塩を使わない時代となっていることなど、お味噌にまつわる四方山話はつきません。長井さんによると味噌は作ってから3~4年はもつのが当たり前なのだそうです。スーパーなどでよく売られている減塩味噌は保存料を使っているし、丸大豆を使っていない味噌はほとんどが脱脂大豆(特に遺伝子組み換えのもの)を使っており、油分が少なく風味が悪いため、うまみ調味料を使うことが多いのだそう。「今回の夜学のようにきちんとした材料で手作りする味噌は最高ですよ」と長井さん。本当にそのとおりですね。 |
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参加者の皆さんからは昨年、一昨年の経験から味噌との思い出話もたくさんしていただきました。毎年同じ味噌はできません。同じように作った味噌でも保存場所や保存方法によって出来上がりは異なったものになります。基本的には冷暗所に置きますが、8月ごろになると段々色や香りが変わってきます。冷蔵庫に入れておくと白っぽいまま、外においておくと茶色くなったりと、手前味噌も十人十色です。長井さんによると、作って1年目くらいが大豆の香りが残って風味もよいそうです。発酵させていく過程で色と香りの変化をとてもいとおしく感じながら育ててくださったという方、出来上がった味噌を「手前味噌」と称してお友達に自慢してまわったという方もいらっしゃいました。 また、毎年多くの参加希望をいただき、すぐに定員に達してしまう味噌作り夜学ですが、毎日ホームページを見て更新をチェックしてくださっている方もいらっしゃいました。子供の頃、お祖母様が作ってくださったお味噌のことを思い出しながら参加してくださったそうです。 皆さんどうもありがとうございました。どうぞじっくりと愛情を込めてお味噌を熟成させてあげてくださいね。 |
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昨年2月22日の夜学で仕込んだ我が家の手前味噌はやはりどこのお味噌よりもおいしい…と皆さんもお思いであったらしく、今年も一番人気の夜学で、昨年より定員を増やしたにもかかわらず1週間でソウルドアウトとなりました。 どうも、お味噌だけではなく八郷の高倉健&岩崎良美こと、長井英治さんと奥様のファンも急増中のようです。夜学終了後、当社の社長も「長井さんやっぱ凄い」と無垢な中にある先見の目と気骨あるソウルに酔っていました。 |
すでにご存知の方も多くいらっしゃると思いますが、私と夫である社長が独立してコンピュター関係の会社を創立した二十数年前の同じ時期、長井さんは早々と都会の生活と新自由主義の経済活動に見切りをつけた未来人です。
もとシティーボーイの無農薬の畑と田んぼで収穫された大豆の米麹、それに海の精だけの、長井直伝ワイルドでアバウトな世界一の味噌作りを通して、長井さんのように潔くはいかないけれど、やがてたどり着く未来の姿を思い描くことができます。
今回も、前日から準備に全力をつくしてくれたスタッフのみなさん本当にありがとうございました。そして、長井さん、また来年よろしくお願いします。大豆が豊作でありますよう微力ではありますがエコロジカルな生活を心がけます。ご一緒させていただいたお客様、来年もまたお会いしましょう。そして、今年の味噌のお味を教えてください。
りっつん店主・小清水美恵
【第30回】 2月28日(木)18:00~21:00
「手前味噌 ~味噌作りレクチャー~(3)」
講師:長井農園 長井英治さん、裕美さん
まかないつき学費 2,000円+材料費 1,800円
※材料費内容(長井農園産の八郷在来有機大豆、長井農園の有機米で作った麹、海の精等)
定員 15名(先着順。定員になり次第締め切らせていただきます。)
申し込み〆切 2月24日(日)
お味噌の仕込み量:お一人様出来上がり【約4kg】を予定しています
持参していただくもの:エプロン/三角巾/味噌を入れる容器(5リットル用)
※容器をお持ちでない方には、りっつんでプラスチック容器をご用意いたします。(別途料金 300円程度)
お手数ですが、お申し込みの際に「容器希望」とお書き添えください。
恒例の大人気夜学、「味噌づくり」が今年も開催されます!
りっつんにおいしい野菜を届けてくださる、石岡市・長井農園の長井さんが味噌仕込みの手ほどきをしてくれます。長井さんのところでとれた有機大豆、お米を使って、完全無農薬のお味噌をご一緒に作りませんか?約2時間程の作業で、茹でた大豆をつぶす工程からお味噌を容器に詰めるまでを体験していただきます。各自、ご自身の分を作っていただき、仕込んだお味噌はお持ち帰りいただけます。初めての方も大歓迎です。皆さんのご参加をお待ちしております。いつもより早い、18時スタートとなります。
■お問い合せ:夜学についての内容および講師の個人的なお問い合わせについては、メールで承っております。