梅雨の訪れとともに迎えたりっつん夜学。今回はつくば「ヤーコンの会」代表石島さんより、ヤーコンの効能とフラクトオリゴ糖のお話を、さらに手作りジャムのマエストロ「季節屋」の栗原さんにはヤーコンを使った無添加の青トマトジャム作りと保存方法、添加物のお話をうかがいました。お二人を囲んで、アットホームな雰囲気の中、夜学が始まりました。
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まずはつくば「ヤーコンの会」代表、石島さんよりヤーコンの効能についてお話が始まりました。
消化にいいオリゴ糖と食物繊維をたっぷり含んだヤーコンはお通じにとってもよいそう。でも食べ過ぎると下痢になってしまうので気をつけてくださいね。ちなみに厚生省から推奨されているフラクトオリゴ糖の摂取量は一日5~10g、生のヤーコン50gほど。これは石島さんが開発されているヤーコン乾燥チップ 5~6枚程度だそうです。 「つくばヤーコンの会」HPはコチラ |
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では次にこのヤーコンを使ってジャムを作ってくださる「季節屋」栗原さんの登場です。栗原さんは以前、自然食品を扱う団体でお仕事をなさっていました。ちょうど日本農林規格協会JASの有機農産物に関する基準ができた頃で、農業には携わらなかったものの、有機食品を扱う現場の変化をいくつも体験されたそうです。 |
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では、安心して食べられるジャムとは?今回は簡単なジャムの作り方と保存方法について実演をまじえて説明していただきました。 「ヤーコンを使った青トマトジャム」の材料は、有機青トマトとヤーコンシロップの2つだけ! |
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1、下処理まずはトマトの皮を薄く湯むきします。食感のために皮をむくわけですが、なるべく栄養が逃げないようにうす~く。1cm角に細かく切ってお鍋へいれ、ヤーコンを煮詰めたものシロップを入れ、火にかけます。このヤーコンシロップはすりおろしたヤーコンを煮詰めたもの。皆さんで試食してみたところ、黒糖のような甘い香りにしっかりとした甘味。さらに生のヤーコンも試食してみます。水分がたくさん含まれるため、梨のような食感。ほんのり甘い不思議な味です。 |
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2、青トマトとヤーコンシロップを合わせて煮るさてさて、お鍋に入った青トマトとヤーコンシロップを最初は強火で煮立たせていきます。素材にもよりますが、ジャムは煮込みすぎると風味を損ねてしまうので短時間で調理をするのがいいそうです。今回の青トマトはちょっと固いので煮立ったあとは弱火でふたをしてとろとろと煮込み、最後にふたを取って火を強くし、水分を飛ばします。アルミの鍋は黒ずんでしまい、ホーローの鍋は衝撃に弱いので、栗原さんはステンレスの多層鍋を使用されているそうです。 |
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3、アクを取り除く「私はけちだから、アクをとりながら実をとってしまわないように」と言いながら2つのザルとキッチンタオルを使い、器用にアクを取り除いていく栗原さん。ひとつのザルをジャムの鍋の中に浮かべ、そこに入ってきたアクをすくってもうひとつのザルにキッチンタオルをしいたもので濾し、濾した液はそのままお鍋に戻る仕組み。まったく無駄のない、アイデア賞ものです!! |
ジャムを作りながら栗原さんが石島さんに「そういえばヤーコンに含まれるポリフェノールってどんなものなの?」と質問。フラクトオリゴ糖、食物繊維と並んでヤーコンの重要な成分であるポリフェノール。石島さんによるとポリフェノールとは植物だけが持つ成分で光合成によって作られます。その種類は数え切れないほどあり、大切な抗酸化作用を持っています。人間が呼吸で取り入れた酸素は余った分が活性酸素として細胞を酸化させてしまいますが、そこでポリフェノールがこの細胞の代用となるのです。大腸がんなどの予防に効果があるといわれており、現在さまざまな製薬会社で特定保健用食品としてのヤーコンの研究・開発が進められています。近い将来、皆さんが薬局でヤーコンを使った商品を目にすることもあるかもしれません。
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そうこうしているうちにジャムが出来上がりました。「今回は水分が多かったから焦げ付かずにできたわ~」と栗原さん。出来上がったジャムをライ麦パン、青トマト、栗原さん手作りのヨーグルトにのせて試食します。「ライ麦パンはどんなジャムでもあいますね」と栗原さん。確かにライ麦パンもよくあいますが、青トマトのジャムをスライスした生の青トマトにのせて食べると・・・意外や意外、とってもおいしかったのです。お砂糖などでトマト本来の味が壊されていないからでしょうか・・・?ヨーグルトの酸味もトマトの甘酸っぱい感じと重なってなんともいえないおいしさでした。 |
1時間程の作業で、ジャムづくりは終了。まだ冷め切らないジャムをお持ち帰りしていただきました。
ご自宅でそれぞれの食べ方でお召し上がれ♪
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<本日のまかない>◆ヤーコン入り甘酢炒め |
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とれたての青トマトを召し上がったことがありますか? |
このオリゴ糖でジャムができないだろうか、意表をつく食材で…こんなわがままに快く果敢に挑戦してくださった「季節屋」の栗原さんは添加物への疑問から、人間が口にする食べもの魂の所在を投げかけてくださいました。
真弓小児科医院の真弓定夫院長は、食を考えるときの3つのポイントを「身土不二、旬、生きもの」とされています。
八郷でとれた(身土不二)もぎ立ての青トマト(旬)と"石炭で中性沈殿させた原料糖を亜硫酸ガスを通じて微酸性にし、ろ過し、結晶させ、原料糖結晶の表面を被覆しているミツ膜を洗糖分離機で洗い落として溶解し、骨炭、活性炭、リン酸清澄剤、石炭、イオン交換樹脂等を使用し、更に炭酸飽育法を併用し、又ろ過補助剤として各種のケイ藻土類を使用し、精製化"してつくられる腐らない白砂糖ではない自然の甘み(生きもの)でつくられた三位一体のジャム。
旬のものを瞬時に保存食に、しかもお砂糖を使わないジャムづくりの今回の夜学から、夜学レポートにあるそのテクニックやコツ以外に、「知って考える」インデックスをたくさんいただきました。工場で作られる精製塩の結晶の形は画一で、自然塩の結晶はそれぞれに表情がある有機的な形、まろやかなうま味を感じます。まさにオーガニック。私も、画一的ではないオーガニックなライフスタイルを選択していきたいと思います。りっつんとともに。
栗原さん、石島さん、本日のためのご準備をありがとうございました。そして、お忙しいところ今回もお集まりくださいましたお客様、一人より二人、それより多くの方と一緒に知って学ぶ喜びのありがたさを改めて感じたこの日の夜学でした。また、お会いしましょうね。
りっつん店主・小清水美恵
【第23回】 6月27日(水)19:00~21:30
「え? 青トマトのジャム? ~手作りジャムとヤーコンのお話~」
講師:手作りジャム「季節屋」栗原さん/「ヤーコンの会」石島代表
まかないつき学費 2,000円
梅雨から夏へと季節が移りゆく今日この頃。りっつん夜学も23回目となりました。今回は、手作りジャムのマエストロ栗原さんをお招きしてのジャム作り講座、そして、スペシャルゲストのつくばヤーコンの会石島代表から女性の悩みをスルリと解決するおそるフラクトオリゴ糖のお話を伺います。りっつんでしか体験できない!ユニークな夜学をお届けいたします。今回もたくさんのみなさまのご参加、お待ちしております!
■お問い合せ:夜学についての内容および講師の個人的なお問い合わせについては、メールで承っております。